このプロジェクトは、私自身の「失われた時間」を埋めるための、音を使ったインスタレーションである。沖縄を離れ、ロンドンで暮らしていた12年間。私の居場所は両方に存在するし、両方に存在しないとも言える。その不確かな自分自身の存在と向き合うために、沖縄で暮らす人々と出会い、そして語り合ってきた。今回の作品は、それらの出会いの中から拾い上げた「ことば」をサウンドにして、特別な場所で行うインスタレーションで再構築していくものである。私自身の感じたウチナーンチュの気質をはじめ、風土や文化、ひいてはこの島の抱える様々な問題などが表出する作品としたい。
場所について
「未完成の家」
大工だった父は、家族と暮らす家をセルフビルドで建てようと試みたが、諸事情により断念。30年以上もの間、コンクリート袋は積み重ねられたまま現場は放置され、そして父は4年前に他界した。緑豊かな中に静かに佇む、父の遺した「未完成の家」を作品展開の場所に選び、時の経過や自らの立ち位置、そして沖縄と静かに向き合う。 |